最近、徐々に、インフレの影響で、身近なところで物価が上がっているのを感じながら生活していますが、日本では、30年以上もデフレが続いていたので、それを考えると、いいきっかけになるという期待もあります。

テレビを見ると、ネガティブな情報のほうが多いので、不安を感じる人も多いかも知れませんが、外的な要因を考えると、インフレ傾向が続くのは、避けられないように思います。

ただ、庶民の感覚でも、物価が上がることを受け入れる人が多くなっていることを考えると、ポジティブにとらえれば、物の値段を上げやすくなったことでもあり、今まで、我慢して、商売をしてきた側にとっては、いいことなのだと思います。

実際に、大企業は、賃上げを行うと発表するところが増えていて、身近なところでは、イオンのパート従業員の時給を10%近く上げるというのが大きなニュースになっています。

日本が30年間、不況が続いた一番大きな原因は、デフレなのは、多くの経済の専門家が指摘しているところですが、デフレが続いたせいで、お金を持っているほど、お金の価値が上がる社会では、お金を貯めるほうが、賢い選択となり、その分、会社の内部留保や個人の貯金が増えていく社会は、経済が成長しないのは当然です。

貧しい時代に、物の値段が安くなるのはいいことでしたが、生きていくために必要なものが、ほとんど、そろった日本のような社会では、物の量よりも質を上げて、質の高いものを売るという方向にシフトしていく必要があります。

ただ、日本が発展していく過程で、大量生産大量消費が経済を大きく強くしてきたので、なかなか、そのモデルから脱却できなかったのは、仕方のないことかも知れません。

最近は、昭和レトロブームなどがあり、若い世代は、昭和の時代にあこがれる人もいるようですが、便利で快適さという面では、今の暮らしは、昔とが比べ物が無いほど、良くなっています。

スマホがあれば、簡単に情報を得られて、アマゾンで、安価な買い物ができて、エンターテイメントも、ほとんど、ただで手に入る時代には、物を消費するという行為時代に、あまり、価値を感じない人が増えていくのは、当然ですが、それでも、時代に合わせて価値の転換を図れば、十分、魅力的な物は、作れるように思います。

個人的には、日本の陶器などの日本の工芸品が好きで、ネットで探したり、実際に、伝統的な陶芸の街に行ったりして、見るのが好きなのですが、最近の工芸品は、おしゃれで美しいと感じるものも多く、その分、昔よりも、価格は高くなっていると思いますが、自分が気に入ったデザインの物を長く使うと思えば、それほど、高い買い物だとは思いません。

日本は、伝統的に、芸能と工芸の国だと言いますが、熟練の職人の作った工芸品は、存在感があって、使っているだけで、楽しいと感じます。

人によって、価値観が違うので、自分がいいと思うものでも、同じように、価値を感じる人ばかりではないと思いますが、その価値にはまると、色々と、見て回るだけで楽しいと思えます。

ヨーロッパは、古い町並みを残して、観光地として、人を呼び込んだり、伝統的なものに対する価値のつけ方がとてもうまいと思います。

日本の職人は、気質的に、手間暇をかけて作ったものでも、それに、見合った価値で物を売らない人が多いように思います。

それは、日本人の美徳であるとは思いますが、価値のあるものに対して、それに見合った対価を要求してもいいように思います。

最近は、洗練されたデザインで、伝統的な物に付加価値をつけて、売るような生産者も増えていますが、それでも、まだまだ、価値に見合った価格ではないので、生産者を応援する意味でも、できるだけ、そういう誠実な物つくりをしているところから、買い物をしたいと思います。

エシカル消費という言葉もありますが、自分が価値を感じるものに、それに、見合った対価を支払うという消費行為は、自分自身の生活も豊かにしてくれます。

個人的に、コーヒーが好きなので、毎朝、飲んでいますが、ネットで探せば、安いものから、高いものまで、ピンキリあって、選ぶのが、難しいのですが、やはり、高いものほど、おいしく、生産者の努力を感じられるので、それに、報いる意味でも、そういうものを選んぶことは、自分にとっても、うれしい買い物です。

ただ、道徳的に、エシカルと言っても、それに、共感して消費する人は、それほど多くないと思いますが、少し、高くても、それに見合った価値があると感じるものになら、お金を使ってもいいと感じる人は多いと思います。

そこには、好きという要素が大きく、価値観によって、選択するものは違ってくると思いますが、少なくとも、自分が好きだと思えるものに、それなりの対価を払うことには、意味を感じられる行為だと思います。

推し活という言葉は、自分が好きなアイドルやアーティストを応援する意味で使われますが、人を応援することによって、自分自身も幸せを感じられるというのは、心理学的に正しいことが証明されています。

ようやく、コロナも落ち着いてきたので、今年こそ、スポーツの観戦やライブに行ったりする人も多くなると思いますが、人を応援することには、大きな幸福感を得られるものだと思うので、楽しみつつ、有意義なお金の使い方をしていきたいと思います。