最近、グーグルやアップルが取り入れていることで、注目されているマインドフルネス瞑想というものがあります。

マインドフルネス瞑想とは、もともと、仏教の瞑想法の一つで、意識や感覚を今ここに向けるという技術です。

マインドフルネスを生活に取り入れることによって、ストレスを減らせたり、睡眠の質が上がったりと、毎日、数分、実践していくだけで、生活の質を改善できると注目されています。

瞑想というと、宗教的なものというイメージが強く、敬遠する人が多いように思いますが、マインドフルネスは、瞑想の一部の技術を、実際の生活の中で、実践的に使えるようにプログラムされたものなので、特に、宗教に関心のない人でも、それを取り入れることには、大きなメリットがあります。

すでに、グーグル(グーグルでは、独自に開発されたサーチ・インサイド・ユアセルフというプログラムがあります)やアップルなど、シリコンバレー企業の多くは、マインドフルネスを取り入れることで、クリエイティビティや生産性の向上など、仕事における目に見える成果が得られているという結果が出ていて、さらに、実践している人とそうでない人では、幸福度に大きな差があるという実験結果も出ています。

最近は、日本でも、ライフワークバランスや健康経営という言葉で、企業の業績を上げるには、社員の健康や幸福が不可欠な要素であるという認識がされつつありますが、その一環として、マインドフルネスを取り入れる企業も少しずつ増えているようです。

マインドフルネスには、こういった仕事の上でのメリットはもちろんですが、プライベートなレベルでも、幸福度が上がるという意味でも、実践する意味はあります。

ただ、日本人にとって、宗教的なものに対するアレルギーは強いので、心理的なハードルは大きいように思いますが、スポーツ選手などが取り入れているメンタルコントロールの技術の一つとして考えれば、それほど、抵抗感はないように思います。

実際のところ、メンタルコントロールの技術は、メタ認知だったり、呼吸に注目することだったり、マインドフルネスと共通する部分も多く、普段の生活のレベルで役に立つ技術なので、取り入れていくことには意味があります。

実際に、マインドフルネスを体験してみると、頭がすっきりと整理されて、気分が良いと感じる人が多いようですが、雑念が取り除かれることで、感情をコントロールできるようになったり、集中力が上がって、仕事が早く片付くようになったりと、目に見えるレベルで生活を改善できます。

人がどんな時に、幸福を感じるかという調査があるのですが、好きなことをしているときや、友達や家族と一緒に時間を過ごすことももちろんですが、それ以上に、集中して、何かに没頭しているときに、一番、幸福度が高いという結果があります。

何かに没頭するというと、好きなことにのめりこむというイメージがありますが、必ずしも、好きなことをしている時だけではなく、どんなことでも(例えば掃除や料理など)、ただ、集中して何かをしているときには、同じように幸福度を感じているということのようです。

これは、集中力を高める=幸福度を上げるということなので、マインドフルネスによって、集中する時間が増えると、それだけ、毎日の生活が充実するということにつながります。

仕事の成果が上がり、プライベートでの幸福度も上がるなら、それをするメリットは計り知れないものがあります。

現代は、スマホやインターネットのおかげで便利になりますたが、その反面、常に情報過多の毎日で、一つのことに集中するというのは、難しくなっています。

テクノロジーの進化によって、この流れは加速して、さらに、情報量は増え続け、その情報の中で取捨選択をするのは、それだけで大きなストレスを感じることでしょう。

一つの事に集中するのが難しくなっている一方で、それをする技術を身に着けることには、大きな意味があり、豊かな生活を送るうえでも、とても重要になります。

マインドフルネスの方法は、色々な書籍や、最近では、動画などでも調べられるので、自分に合った方法で、挑戦してもらえればと思います。

少しだけ、簡単な方法を説明すると、座禅を組む、または、椅子に背もたれに背中を付けないように、座り、姿勢を意識しながら、同時に呼吸に意識を向けます。

慣れていないと、はじめは、色々な感情や想念が浮かんでくると思いますが、それを無理に止めようとせず、呼吸に意識を向けます。

感情や想念は、無理に止めようとすると、そこに、意識が向かってしまいますが、意識を呼吸と身体に向け続けていると、そのうち、感情や想念の波は、小さくなっていきます(水に落とす波紋が小さくなっていくようなイメージです)。

呼吸は、だんだんと、ゆっくりと大きくしていき、そのまま、30分程度(慣れていないうちは、10分~15分程度でも大丈夫です)、呼吸と姿勢に、意識を向け続けます。

ただ、これだけですが、毎日、朝起きた時と、夜眠る前に、少しの時間、行うだけでも効果があります。

すぐに、効果が出るものではありませんが、一か月くらい続けると、少しづつ、効果が出てくると思います(長い期間続けるほど、効果は大きくなります)。

まずは、習慣として身に着けるまで、2、3週間程度、朝か夜のどちらかの時間に、時間をとれる範囲で行っていくと、長く続けられると思います(筋トレや新しい学習など、習慣として身に着くようになるには、3週間程度続けることが重要なので、無理をしない程度の挑戦してください)。

無駄なことを考えたり、感情にとらわれなくなると、仕事の効率が上がり、生活の中に時間の余裕がでてきます。

時間に余裕ができると、生活にもゆとりができて、恋人や家族と過ごす時間や、新しいことに挑戦する時間など、色々なメリットがあると思います。

マインドフルネス瞑想をしたあとには、頭がすっきりとするので、いつも、頭の中がごちゃごちゃとして整理ができないという人には、特に、おすすめです。

頭の中を整理する習慣ができれば、仕事や人間関係にもポジティブな効果があり、普段の生活に充実感を持つことになるので、簡単にできることからはじめてみると、色々とメリットは多いと思います。