先日、政府から、コロナウィルスを春には、2類から、5類相当に変更することを政府から発表がありました。

欧米諸国の対応を考えると、今更な気もしないでもないですが、ようやく、これで、春以降は、自由に、飲食店で食事をしたり、旅行を気兼ねなくできるようになることで、普通の生活に戻っていくことが期待できます。

ただ、ほとんどの人は、内心では、すでに、インフルエンザと同じような感覚で生活しているというのが、本音だと思いますが、こうして、正式に政府が対応すると、気持ち的なものだけでなく、行動にも、大きな変化があると思います。

ただ、欧米諸国のインフレの状況などを見ると、意外と、慎重すぎる日本の対応は、プラスに働いた部分もあって、対応が緩和されたからといって、急に、人の動きが活発になったりすることもなさそうなので、緩やかな変化は、結果的には、良かったのかも知れません。

それでも、日本でも、最近、インフレの影響が大きくなっているので、若干、物価の上昇に懸念はありますが、長らく、デフレ状況にあったことを考えると、これをプラスにとらえて、経済全体を前にすすめていくきっかけになるという可能性もあるのではと思います。

最近は、徐々に、外国人の受け入れも再開されていて、徐々に、インバウンドも戻ってくると思いますが、中国の状況を考えると、急激に、旅行者が増えることもなさそうなので、インバウンドが拡大していくスピードに対応する準備ができそうなのもポジティブに考えられるところだと思います。

愛知県では、去年の11月から、ジブリパークが開園したこともあり、愛知の観光の目玉として、アジアを中心とした海外にも売り出していくようですが、国内の県外からの需要も大きいと思うので、愛知県自体を訪れる人も多くなりそうです。

愛知県は、観光資源の面で、乏しいというイメージを持つ人は多いと思いますが、名古屋城や犬山城など有名なお城もあり、今年は、大河ドラマで徳川家康が主役ということもあり、これまで、あまり、注目されなかった岡崎城を含めた三河地方にも、観光で訪れる人が多くなるのではと思います。

愛知県と言えば、名古屋市が中心なので、観光客が増えると、名古屋に宿泊する人も多くなると思いますが、街として退屈というイメージがありますが、それは、作家の村上春樹が、エッセイで名古屋を退屈で都市として魅力に乏しいというようなことを書いたことがきっかけだと思います。

村上春樹による都市の魅力というのは、入り組んだ路地があり、そこに、様々な文化的な側面を持った個性的な人が点在していることにあることで、名古屋は、碁盤の目状に作られた整然とした街並みなので、路地と呼べるような場所がなく、それが、魅力を削ぐ要因だということですが、名古屋にも、大須のような場所は、昔ながらの商店街の中に、マニアックな電気街や古着屋など、個性的な若者や外国人が住んでいるエリアなどもあり、そこまで、魅力の無い場所というわけではないと思います。

名古屋は、名古屋飯という言葉があるように、味噌カツやみそ味噌煮込むうどんにひつまぶしなど、名古屋ならではの食も楽しめて、名古屋飯以外にも、色々な飲食店があるので、飲食店自体のレベルは、他の都市に比べても、水準が高いのも魅力の一つです。

村上春樹自身が、どう思っているのかわかりませんが、名古屋=退屈というイメージを作ってしまったことの罪滅ぼしからなのか、名古屋を舞台にした小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』という小説を発表していますが、色彩を持たないという言葉に、名古屋に対する色のない街という皮肉が込められていることも否定はできません。

ただ、個人的に、名古屋で10年以上住んでいたことがある身としては、都市で生活するには、とても、便利で文化的にも充足感が持てる場所でもあり、東京に比べて、物価も安く、暮らしやすく魅力を感じる街なのは間違いないと思います(狭い分、エリアごとの特性がわかりやすいのが暮らしやすい要因の一つだと思います)。

実際に、名古屋で観光をするとなると、おすすめする場所は大須商店街くらいですが、名古屋城やテレビ塔に名古屋港水族館や科学館や美術館などもあり、地方のさびれた都市というわけではなく、普通に、観光する場所は、それなりに多いように思います。

名古屋は、飲食店も充実していて、おいしいお店がたくさんあるのも魅力ですが、エリアによって、だいぶ、印象が違うので、事前に調べていくと、色々と楽しめるように思います。

夜の街には、怪しげなところもあって、初めての人だと、少し、危険に感じる場所もありますが、それも含めて、ナイトライフも充実しているのも、魅力の一つだと思います。

東京の三分の一くらいの規模感で、都市にあるものは、ほとんどあるという意味では、都市としての機能としては十分だと思いますが、これから、訪れる人が増えることで、外側から、発見されていくものも多いように思います。

コロナ前には、大須周辺に、特に、アジアからの観光客が集まっていたので、とても、多国籍な雰囲気がありましたが、今年から、少しずつ、インバウンドが戻ってくることを考えると、徐々に、また多国籍な雰囲気に戻っていくように思います。

愛知県は、トヨタのおひざ元ということもあり、真面目で地味な気風はありますが、探ってみると、意外と面白い場所はあるので、ジブリパークを利用するために、一泊するだけでなく、もう何泊かしてみると、魅力を発見できるように思います。

これまで、愛知は、特に、わかりやすい観光の目玉などがなかったので、素通りする人が多いところだったは思いますが、ジブリパークができたことで、とりあえず、観光に出かける目的ができたことで、逆に、外側から来る人に発見される魅力的な場所などもでてくるように思います。

個人的には、名古屋は、飲食店のレベルは高いと思うので、名古屋飯を中心においしいものを食べたり、おしゃれなカフェ巡りをしたりと、都市としての楽しみ方はできるので、期待度が低い分、逆に、楽しめるのではと思います。