今年は、例年に比べて、桜が咲き始めるのが早かったので、外を歩くと、満開の桜を目にするようになりました。
この季節は、ぽかぽかとした陽気が気持ち良く感じられますが、桜以外にも、色とりどりの花が咲き様子をみると、それだけで、幸せな気分になれます。
日本の春の美しさは、世界に誇るものの一つだと思いますが、ようやく、最近、外国人の旅行者も解禁となったので、来年の今頃には、桜の名所に、多くの外国人の方が訪れているように思います。
ここ数年は、コロナの影響で、外国人の制限があったこともあり、観光地が空いていて、逆に、観光するには、良かった面もありましたが、来年からは、かなり、旅行者が増えることが予想されるので、ゆっくりと桜を楽しめるのは、今年までかも知れません。
ただ、コロナの影響は、今までとは違った観光のあり方を模索するには、いい期間だったとも言え、できるだけ、長く滞在してもらうような工夫をすることで、より、日本の良さを知ってもらう方向に観光地も変わりつつあるようです。
それは、日本の旅行者にとっても同じで、これまでの一泊二日の忙しい旅行から、ある程度、滞在しつつ、その土地の魅力を堪能するような旅行の仕方に変わりつつあるように思います。
最近は、働き方改革などと言われていますが、これからは、同時に、休み方改革をすることも大事になってくるように思います。
今までのように、短い休みに、混雑する場所に出かけて、楽しんだのか疲れたのかわからないような休日だったのが、これからは、ある程度、長い休みを取って、ゆっくりと滞在しながら、余裕のある旅行をする人が増えていくように思います。
アジアのビーチなどに行くと、長い休みを取って、ゆったりと楽しむ欧米人の姿を見て、うらやましく感じたりもしていましたが、日本も、若い世代を中心に、そういう、休み方を志向する人は増えているように思います。
デジタルの進化は、仕事の効率化をもたらしましたが、その分、休みも増えるはずなので、欧米並みに、休みを取るような働き方は、現実的なものになっているように思います。
星野リゾートの社長は、日本人の休みを分散させることで、観光地にとっても、休む人にとっても、大きなメリットがあるので、GWなど大型の連休を地域や職種によって、分散させることを提言しています。
それが実現すれば、連休中などの人の集中が緩和され、交通などのストレスが減り、ゆとりを持った旅行をできるようになり、多くの人にメリットがあるので、ぜひ、実現してもらいたいと思います。
ゆとりを持った旅行ができれば、その地域ならではの魅力を掘り起こすことにもつながり、一日、二日は、のんびりと本を読んだり、ゆっくりと過ごすことも可能です。
どうしても、忙しく動いていると、有名な観光名所を、ただ、スタンプラリーのように、慌ただしく、巡る旅行になってしまいますが、ある程度、滞在できる旅行スタイルになれば、地元の人しか知らないようなローカルな飲食店などで、地元の人と交流したりと、新たな楽しみ方ができるようになります。
最近の若者は、トキ消費と言って、その時にしかできない体験を求めるようになっていると言われるようになっているようですが、色々な人とその場でしか体験できないことに価値を求めることという意味のようです。
音楽フェスなどは、典型的なものですが、その時のその場所でしか味わえない体験に価値を求めるのは、どんな世代にも共通するものだと思います。
それは、コロナによる自粛による祝祭の減少が原因の一つですが、もう一つは、デジタルでの繋がりによって、一体感を感じられるようになっているのも大きいようです。
ここ数年、お祭りを自粛する自治体が多く、伝統的なお祭りをすることができない状態が続いていましたが、今年は、お祭りや花火大会なども自由のできるようになると思うので、ますます、その価値を感じる人が多くなると思います。
日常から離れて、その時にしかできない体験をすることで、心を満たしたいという欲求は、豊かな生活を送る上では、とても、大切なものだと思います。
昨今のアウトドアブームも、その一つだと思いますが、友達や家族と一緒に、バーベキューをしたり、焚火を囲みながらの会話は、その時にしかできない体験です。
個人的には、山登りが好きなので、今年は、できるだけ、多くの山に登りに行きたいと思いますが、海が好きな人は、スキューバダイビングをしたり、サーフィンを楽しんだり、自由に行動できるようになったことで、お金には、換算できない価値を楽しむ人が増えていくように思います。
トキ消費という言葉自体は、マーケティングによる消費行動を分析したものなので、少し、違和感を感じますが、人が感じる価値自体が、変質していることには、間違いがないように思います。
タイムパフォーマンスという言葉には、ネガティブな意味も含まれますが、誰とどんな過ごし方をするかで、価値が大きく変わっていくこと自体は、否定のしようがないので、できるだけ、価値のある時間の使い方をするために、こだわりを持つこと自体は、間違いではないと思います。
個人的には、多くの人が、余裕をもって、多くの価値を感じながら生活をしてもらいたいので、休み方改革というものも、多くの人が共通の価値観として持つような世の中になればと思います。